ゆくはしビエンナーレ2017
【入賞マケット作品】

アンネ・フランク「アンネ・フランク像-平和へのまなざし-」

奥田 真澄「アンネ・フランク像 -平和へのまなざしー」
奥田 真澄「アンネ・フランク像 -平和へのまなざしー」

奥田 真澄 OKUDA Masumi, 三重県,日本

 私は、ゆくはし公募彫刻展の趣旨である、市民の皆様や子どもたちの未来へ残す作品を思慮した際に、戦争のない平和な世界の価値を伝える人物像を制作したいと考えました。我々日本人は二度の世界大戦を経験し、戦争の悲劇を知っています。しかし、世界では未だに戦争やテロなどの様々な争いが行われており、平和に対しての不安を拭うことはできません。誰しもが活力を持って活動できる魅力ある社会環境を考えた際に、平和な社会基盤がまず重要であると思います。その為にはグローバルな視野で平和について思考し続けることが必要であり、このことが「行橋プロジェクト」の第一弾のテーマにふさわしいと考えました。
 私はこのような思索を踏まえ、広く国際的に有名でありながらも、身近な存在として感じることのできるアンネ・フランクをモチーフに彫刻を制作しました。この作品を市民の皆様や子どもたちに見ていただくことにより、遠い国でごく普通に生活を行っていた少女が巻き込まれた運命を考え、これに込めた私の平和への想いを感じていただけたらと思っています。また、アンネ・フランクの書籍に興味を持つなどして図書館利用の向上も併せて期待しております。
 作品の造形上の工夫としましては、アンネ・フランクが戦争のため隠れ家の中での生活を余儀なくされながらも、平和な未来に向けて希望をしっかり持って生活をしていたことを、首を90 度にひねり、まなざしに強い方向性を持たせたことにより表現しています。また、本という人類の知性や知識を象徴するものを構成することにより、文化の大切さも示しました。顔の表情は見る人や時によって受ける印象の変わる、日本の仏像のような静かで豊かさのある深い感情を表現できればという想いを込めて制作を行いました。それは、時に微笑んでいるようでもあり、寂しげでもあり、また強い希望を感じるなどの、見る人それぞれの感情を和ませ、アートをより身近に感じつつ生活の活力を生む造形効果を期待しております。