行橋市は九州の北部、福岡県の瀬戸内海に面した、歴史豊かな人口約7万3千人の暮らしやすい町です。古代はヤマト王権の九州における拠点として、また近世は米や農産物の集積地、積み出し港として繁栄し、大商人たちが活躍していました。経済力を背景に豊かな文化土壌が形成され、伝統文化として500年の歴史をもつ社頭連歌が全国で唯一この地域には残っています。近年は北九州一帯の工業化の波に押され、それまでの商業都市の機能が低下し、ベッドタウン化が進んで伝統文化の担い手も減少してきました。
2015年に、「かつての文化の輝きを今に」との思いから、国際公募彫刻展「ゆくはしビエン ナーレ2017」をスタートさせ今回で4回目となります。誰もがいつでも鑑賞できるように、ブロンズによる人物像を広く世界に呼びかけて募集します。大賞作品は多くの市民が訪れる市内の公共空間に設置します。したがってテーマは「公共空間に設置するにふさわしい知識・知性を具現化した歴史上の人物」としました。世界文化の向上に貢献した歴史上の人物であれば、洋の東西を問いません。
本展の特徴は具象彫刻に限定していることです。彫刻芸術の領域が果てしなく広がって いる現在、有史以来、特にギリシア・ローマ以来の伝統に立つ人体表現を再評価しつつ、新た な人体彫刻の可能性を追求しようとする試みです。「具象彫刻」の定義を更新してゆくような挑戦的な作品も歓迎します。
この事業を通して行橋市は、文化創造都市を目指します。多くの作家の皆様の参加をお待ちしています。