第3 回ゆくはし国際公募彫刻展

ゆくはしビエンナーレ2021

 第3回ゆくはし国際公募彫刻展の大賞作品が決定しました。入賞作品5点の実物マケットおよび実寸大頭部像をもとに2次審査が行われ、大賞作品1点を選出。市民賞および子ども大賞(中学生以下)は、市民投票により決定しました。

Second Round Review

2次審査・大賞作品

しビエンナーレ2021 大賞受賞 郡 順治

ゆくはしビエンナーレ2021 大賞受賞作家

郡 順治

こおり じゅんじ

1968年 愛媛県出身・在住
1994年 金沢美術工芸大学大学院美術工芸学科修士課程鋳金終了
    富山県高岡市で槻間秀人氏に師事
    高岡同期の原型製作
2004年 金沢・まちなか彫刻作品・国際コンペティション2004 最優秀賞「走れ!」
2007年 愛媛県松山市に帰郷

受賞者の声

 このたびは大賞という身に余る栄誉を賜ったうえ、さらには作品がJR行橋駅という市の玄関口で多くの衆目に接することは表現者として幸甚の至りであり、選考にあたられた先生方には深く感謝申し上げます。
 また、ゆくはし国際公募彫刻展実行委員会事務局と関係の皆様には、終始さまざまにご尽力いただき、またご心配をおかけしたことに心より感謝とお詫び申し上げます。

 今回の制作にあたっては、私の第二の故郷といっていい富山県高岡市の、金屋町や銅器業関係など多くの方々のお世話になり、多大な協力を得ることができました。伝統的な金属工芸品の産地である高岡市は、鋳造工場を始め様々な金属加工技術の一大集積地であり、私自身大学をでた後、十数年にわたり師の槻間秀人氏のもとで、銅器の原型製作の仕事をとおして多くの事を学ばせてもらいました。今回その高岡で数々の専門的な助言や協力を頂き、新たな知己にも恵まれたばかりか、思わぬめぐり合わせもあって行橋市との新たな交流のきっかけにもなったことは、かけがえのない喜びとなりました。

 テーマとなった末松謙澄氏は、文化の発信者として自信と度胸に溢れたバイタリティ豊かな人物であったと思います。肖像の制作では氏のそのような前向きな人物像を造形に表現することを心がけました。

 今年の年初から構想を練り始め、3月末の応募締め切りに向けてマケットの制作を進めていましたが、時を同じくして世界では新型コロナという未知の災厄に見舞われていました。突然世の中が膠着し、決まると思っていた仕事や多くのイベントが失われ不安で心が折れそうになりながらも、末松謙澄氏の力強い姿にすがるような気持ちで応募にこぎつけたのを昨日のことのように思い出します。未だに先が見通せない模索の日々ですが、それでもこの行橋から世界へ向かって羽ばたこうとする若者の背中を、ちょっとでも押して勇気づけられるような像になることを心より願っています。

世界へ
世界へ

世界へ

 語学や教養を武器に、誇りをもって西洋列強に立ち向かった末松謙澄さんの生涯に明治期の開国したての若い日本の様を重ね、はつらつとした若者として表現しました。和と洋の書を携え、大地をしっかりと踏みしめて、広い世界の先に日本の未来を見据えています。

Second Round Review

市民賞・子ども大賞作品

ゆくはしビエンナーレ2021 市民賞・子ども大賞受賞作家 川村洋平

ゆくはしビエンナーレ2021 市民賞・子ども大賞受賞作家

川村 洋平

かわむら ようへい

1983年 高知県出身・岡山県在住
2007年 日彫展 新人賞
2008年 倉敷芸術大学大学院芸術研究科美術専攻修了
     日彫会新鋭選抜展出品
2009年 日彫展 優秀賞
2010年 日彫会新鋭選抜展出品
2019年 ゆくはしビエンナーレ2019 入賞
     OKUTSU芸術祭 招待出品(かがみの近代美術館)
2020年 岡山現代彫刻の断片展 Vol.4「人物 その内部に宿る生命」(奈義町現代美術館)

受賞者の声

 この度「市民賞」並びに「子ども大賞」に選出して頂き、誠にありがとうございます。

 私にとって彫刻は、自身の形態観や身体感覚でもって生き様を形にしていく自己表現です。したがってモデルを伴う場合でも単なるポーズ等の再現でなく、確固たる造形意図とモデルの人生をその塊に表現しきる覚悟が必要であり、その上で都市計画の中では場の空間性をより意識的に考慮し、何よりそこに生活している方々が親しみを持ち、誇れる「顔」になるべき造形を実現することが重要であると考えます。

 今回の受賞は表現者としての考えに、1つの「こたえ」を頂けたように感じています。自己を通して世界に何が問えるのか、常に自問し、今後とも精進して参ります。

起草する末松謙澄
起草する末松謙澄

起草する末松謙澄

 激動の時代、国内外で活躍した行橋の誇る「知の巨人」末松謙澄。世界に向けて日本文化を発信した明治時代の“インフルエンサー”としての側面を、凛としつつもくつろぎながら文章の草稿を練っている姿で表現した。
 制作に当たり、駅前広場に置かれることを想定し以下の条件を掲げた。
「①物理的な量を実現すること、②多くの人が興味を持てる“仕掛け”をつくること」
 ①に関しては、椅子に座っている像を構想し実現を図った。像の膝あたりに目線が来、やや見上げることを想定したポージングと人体比率にした。
 ②に関しては、ハイバックチェアと本が一体となる造形上の遊びを盛り込んだ。開いたページの隙間から雲をあふれ出させることで、文人としての豊かな創造性を表現している。

Flow of an examination

審査のながれ

1次審査(2020年4月17日〜5月24日):書面審査により、入賞作品5点を選出
2次審査(2020年7月17日):入賞作品5点の実物マケット及び実寸大頭部像にて審査し、大賞作品1点を選出

入賞作品展・市民投票:市民賞、及び子ども大賞(中学生以下)を投票により決定
 ・2020年8月1日〜9月30日:リブリオ行橋
 ・2020年10月2日〜11月3日:コスメイト行橋

【市民賞投票結果】

1位 川村 洋平(88票)
2位 郡 順治(63票)
3位 松田 光司(48票)
4位 青野セクウォイア(28票)
5位  Miguel del Rey Vergara(26票)

【子ども賞投票結果】

1位 川村 洋平(74票)
2位 郡 順治(47票)
3位  Miguel del Rey Vergara(25票)
4位 松田 光司(22票)
5位 青野セクウォイア(21票)

About future's schedule.

今後のスケジュールについて

【授 賞 式】2021年3月20日(土)13時30分〜 リブリオ行橋けやきホール(予定)
【大賞作品除幕式】2021年3月20日(土)16時〜 JR行橋駅前広場(予定)